中国株式

[基礎知識]中国株式市場の種類とその違い – 海外から投資するには –

中国株式市場について

中国株式の魅力について分析する前に、そもそも中国の株式市場にどんな種類があり、どのような仕組み・ルールが設定されているのかから確認していきましょう。

株式市場の種類

中国株式を扱う株式市場はいくつかあり、大きくは「中国本土市場」と「香港市場」に分類されます。

そして、その中でも中国本土市場には「上海市場」と「深圳市場」があり、それぞれで取り扱っている銘柄が異なります。

 

香港市場、上海市場、深圳市場の大きく3つに分けられる中国の株式市場ですが、実際には中でそれぞれさらに細かく細分されています。

一気にまとめて見ていきましょう。

株式市場
香港市場 メインボード
GEM



上海市場
(大企業)
A株 メインボード
科創板
B株 メインボード
深圳市場
(ベンチャー)
A株 メインボード
創業板
B株 メインボード

 

香港市場は「メインボード」と「GEM(Growth Enterprise Market)」に分かれており、それぞれで取り扱われている銘柄の特徴が異なります。

上海市場、深圳市場のA株もそれぞれ「メインボード」と「科創板/創業板」に分かれています。

中国に限らず、日本にもアメリカにも様々な株式市場があります。

日本には東証一部/二部、マザーズ、JASDAQといった東京証券取引所の市場だけでなく、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所といった地方証券取引所もあります。

また、アメリカにはニューヨーク証券取引所とナスダックがあります。

中国の株式市場が複数あるのは珍しいことではありません。

 

市場ごとの違い

様々な市場がある中国株式ですが、それぞれどのような違いがあるのか見ていきましょう。まずは、それぞれで扱われている主な銘柄と上場企業の数、市場規模を比較します。

株式市場 主要銘柄 上場数 時価総額
香港市場 メインボード 大企業 2188 約742兆円
GEM 新興企業 366 約2.0兆円
上海市場
(大企業)
A株 メインボード 大型株 1338 約649兆円
科創板 ハイテク企業 261 約55兆円
B株 メインボード 大型株 48 約1.2兆円
深圳市場
(ベンチャー)
A株 メインボード 大型株 1465 約381兆円
創業板 中小型株 935 約174兆円
B株 メインボード 大型株 45 約0.9兆円
合計
6646 約2,005兆円

参考:中国株式市場の仕組みを分かり易く解説【香港・上海・深セン / A株・B株・H株・レッドチップ】 – ファイナンシャルスター

 

香港市場では、主に大企業が上場するメインボードに対し、GEMには新興企業がメインで上場します。日本におけるマザーズのような立ち位置になります。

 

上海市場・深圳市場は、A株・B株共にメインボードが主に大型株を取り扱う、日本における東証一部にあたる市場です。

上海市場の科創板はハイテク企業が中心であり、深圳市場の創業板はベンチャーが中心となる、日本におけるJASDAQやマザーズのにあたる市場です。

 

当然のことながら、上場している企業の数、時価総額共に、メインボードの方が圧倒的に大きくなります。

 

海外から投資できる市場

中国の株式市場は誰でも買えるわけではありません。様々な種類がある中国株式市場ですが、海外投資家に開放されている市場は限られています。

 

香港市場は、外国人投資家にも開放されており取引が可能ですが、中国本土市場と呼ばれる上海市場・深圳市場では、外国人投資家が取引できる対象が制限されています。

中国本土の2つの市場(上海・深圳)では、B株のみが外国人投資家にも開放されています。

  • A株:中国国内の投資家だけが取引可能
  • B株:中国国内に加えて外国人投資家も取引可能

 

外国人投資家に解放されている市場では「香港ドル」が、中国国内のみに解放されている市場では「人民元」が取引通貨になっています。

 

外国人投資家が投資可能な市場

株式市場 通貨 外国人
投資家
香港市場 メインボード 香港ドル  
GEM
上海市場
(大企業)
A株 メインボード 人民元 不可
科創板
B株 メインボード 香港ドル
深圳市場
(ベンチャー)
A株 メインボード 人民元 不可
創業板
B株 メインボード 香港ドル

 

中国株式市場まとめ

中国株式市場についてまとめると以下のようになります。

  • 香港株式市場、上海株式市場、深圳株式市場の3つがある
  • 香港は「メインボード」と「GEM」に分かれているがいずれも海外から投資できる
  • 上海・深圳は「A株」「B株」の内、「B株」の市場のみ海外から投資できる
  • 海外から投資できる市場は、いずれも「香港ドル」が使われている